硫黄化粧水と美肌の化学

化粧水の成分で見るべきポイント|天然由来と合成成分の本質的な違い

執筆者 : 開発者松本千賀子

化粧水を選ぶとき、成分表示を見ても何が良くて何がよくないのか分からない—そう感じる方は多いはずです。「天然由来」「ナチュラル」という言葉は多くの製品で使われていますが、天然由来成分と合成成分の違いは、表示を見るだけでは判断できません。
この記事では、化粧水の成分表示で本当に見るべきポイントと、天然由来成分と合成成分の本質的な違いをOLIMの処方設計の考え方を交えて解説します。

成分表示の基本|読み方のルール

日本で販売される化粧品は、全成分を表示することが義務付けられています(全成分表示制度)。成分表示には一定のルールがあり、知っておくだけで選択の精度が上がります。

配合量の多い順に並んでいる

成分表示は原則として、配合量が多い順に記載されています。つまり、最初に書かれている成分ほど多く含まれています。多くの化粧水では最初に「水」が来るのはそのためです。

ただし、配合量が1%以下の成分については順不同で記載することが認められています。美容成分として訴求されているエキス類の多くは、実際には1%以下の微量配合であることが少なくありません。

成分名は国際規格(INCI)に基づいている

化粧品成分の名称は、国際化粧品原料命名法(INCI)に基づいて表示されます。そのため、原料の素材名とは異なる表記になることがあります。たとえばOLIMに使われている貝化石由来の水は、成分表示上「水」と記載されます(JCIA規定に基づく)。「水」と書いてあっても、その素材の由来や特性は表示だけでは判断できません。

📌 成分表示を読む基本ルール
  • 配合量が多い順に記載されている(1%以下は順不同)
  • 最初に来る成分が最も多く含まれている
  • INCI名で記載されるため、素材の実態と名称が異なる場合がある
  • 「天然由来」の表示がなくても天然素材を使っている製品はある

天然由来成分と合成成分の本質的な違い

「天然由来=良い」「合成=悪い」という単純な図式は正確ではありません。ただし、両者には本質的な違いがあり、特に過敏肌・乾燥肌の方にとっては、その違いが肌の反応に影響することがあります。

分子構造の複雑さ

天然由来成分は、植物や鉱物などの自然界から抽出されたものです。自然界の素材は多くの場合、単一の化合物ではなく複数の成分が共存した複合体として存在しています。

合成成分は、化学的に設計・製造された単一の化合物が多く、濃度や純度を高い精度でコントロールできる点が特徴です。一方で、自然界には存在しない化学構造を持つ成分もあり、肌細胞がその成分に対してどう反応するかは、天然素材とは異なります。

肌の細胞との馴染みやすさ

人の肌は、長い時間をかけて自然界の環境と共存してきました。植物エキスや天然鉱物などの素材は、肌細胞がある程度認識しやすい構造を持っているとも考えられています。

これは「天然由来成分が合成成分より必ず安全」ということを意味するわけではありません。天然素材にも刺激になりうるものはありますし、逆に合成成分の中にも安全性の高いものは多くあります。ただし、バリア機能が低下した過敏肌・乾燥肌の方にとっては、肌細胞との馴染みやすさという観点が選択の一因になることがあります。

天然由来成分の特徴
  • 自然界の素材由来
  • 複合成分として存在することが多い
  • 肌細胞との歴史的な共存がある
  • 素材ごとに特性が異なる
合成成分の特徴
  • 化学的に設計・製造された成分
  • 濃度・純度の管理がしやすい
  • 自然界に存在しない構造を持つものもある
  • 製造コストを抑えやすい

過敏肌が特に気をつけたい合成成分

過敏肌や乾燥肌の方が化粧水を選ぶ際、特に注意が必要な合成成分があります。これらが「悪い成分」というわけではありませんが、バリア機能が低下した肌に対して刺激になりやすい特性を持っています。

成分過敏肌にとっての注意点
エタノール(アルコール)揮発性が高く、角質層の細胞間脂質を溶解させる作用がある。バリア機能が低下した肌では刺激になりやすい
合成界面活性剤皮脂や角質の脂質を必要以上に取り除く作用がある。乾燥・過敏肌のバリア機能をさらに低下させることがある
合成防腐剤(パラベン類・フェノキシエタノールなど)製品の長期保存を可能にするが、殺菌・防腐作用が肌本来の常在菌のバランスにも影響する可能性がある
合成香料香りをつけるための成分。過敏肌では香料成分が刺激の原因になることがある
増粘剤とろみをつけるための成分。使用感を良くする目的で使われるが、成分の浸透より感触の演出を優先した処方になる

これらの成分が配合されていること自体が問題というわけではありません。しかし過敏肌・乾燥肌の方が「何を使っても肌荒れする」という状態に陥っているとき、使用している化粧水にこれらが含まれていないかを確認することは、肌の状態を改善する糸口になることがあります。


「天然由来〇〇%」表示の見方

近年、「天然由来成分〇〇%」という表示を目にする機会が増えました。この数字が高いほど良い製品、という印象を持つ方もいますが、この数字の意味を正しく理解することが大切です。

「配合率」ではなく「成分の由来比率」

「天然由来〇〇%」は、配合されている全成分のうち、天然由来と分類できる成分の割合を示します。ただし、何を「天然由来」とみなすかの基準は製品によって異なります。化学的な加工を経た成分を天然由来としてカウントする場合もあります。

また、最も多く配合されているのが水(精製水)であれば、その分だけ天然由来の割合が高くなります。数字だけでなく、実際にどの成分が天然由来として計算されているかを確認することが重要です。

OLIMの場合

OLIMの天然由来成分98.6%という数字は、全成分である水(貝化石水)・グリセリン・ゲットウ葉エキス・ローズマリー葉エキス・BGのうち、BGを除く成分が天然由来に由来することによります。BGはローズマリー葉エキスの抽出溶剤として使用しており、静菌作用があるためフェノキシエタノールを使わずに処方が成立しています。使用している成分と、その成分を使う理由をOLIMは正直に開示しています。


成分表示で本当に見るべき3つのポイント

化粧水を選ぶとき、成分表示のどこを見ればよいか。過敏肌・乾燥肌の方に向けて、実際に役立つ3つのポイントを整理します。

✅ 成分表示で確認すべき3つのポイント
  • 最初に来る成分は何か……最も多く配合されている成分。「水」「BG」「エタノール」のどれが最初に来るかで処方の方針がわかる
  • 気になる成分が含まれていないか……エタノール・合成界面活性剤・合成防腐剤・合成香料・増粘剤が含まれているかを確認する
  • 成分の数はどれくらいか……成分数が多いほど、刺激の原因を特定しにくくなる。過敏肌にはシンプルな処方のほうが合いやすいことがある

成分表示は複雑に見えますが、自分の肌に合わない成分を把握して除外していくという使い方が、過敏肌の方にとっては最も実践しやすいアプローチです。


OLIMが「シンプルな処方」にこだわる理由

OLIMの全成分は5種類です。水(貝化石水)・グリセリン・ゲットウ葉エキス・ローズマリー葉エキス・BG。これだけです。

成分を少なくすることは、製造上の手間や制約が増えることを意味します。それでもシンプルな処方にこだわるのは、何が肌に合っていて、何が合っていないかを明確にするためです。

多くの成分が入った化粧水で肌荒れが起きた場合、どの成分が原因なのかを特定することは難しくなります。OLIMを使って肌の状態が変わったとき、何が作用したのかが分かりやすいのは、成分がシンプルだからです。

「使ってみなければ分からない」という側面はありますが、まず成分表示を見て、刺激になりうるものが入っていないかを確認することが、過敏肌のスキンケア選びの第一歩です。

無理な勧誘はなし。まず肌で確かめてみてください

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開発者松本千賀子

株式会社スキンケアラボラトリ代表。
化粧品業界に40年携わり、延べ10万回以上の肌相談を重ねてきました。
その経験をもとに太古の海の地層から生まれたミネラルを含む水をベースに、自然由来にこだわった化粧水を開発しました。
試作品のその浸透性に興奮して夜も眠れなかったぐらいです。
お客様からも 「肌にどんどん入っていく感じがする」 「つけると肌がひんやり落ち着く」 という声をいただいています。
与えすぎない、削ぎ落とすケアを大切に、 今も自分の肌で確かめながら改良を続けています。

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