肌の土台をつくる

バリア機能とケラチンの関係|肌を守る防護壁が崩れる本当の原因

執筆者 : 開発者松本千賀子

「バリア機能が大切」とよく聞くけれど、そもそもバリア機能とは何なのか。

「セラミドを補えばバリアが整う」と思ってケアしてきたのに、なぜか改善しない。

「敏感肌・乾燥肌が長年続いていて、根本から変わる気がしない」

バリア機能を語るとき、よく取り上げられるのがセラミドや細胞間脂質です。しかし実は、バリア機能を内側から支えているのは「ケラチン」というタンパク質です。今回は、バリア機能とケラチンの深い関係を解説します。

バリア機能とは何か

バリア機能とは、肌の一番外側にある角質層が持つ防護機能のことです。具体的には次の2つの役割を担っています。

  • 外から侵入しようとする刺激・花粉・細菌・紫外線などを肌の内部に入れない
  • 肌の内側にある水分を外に逃がさない

この2つの機能が正常に働いているとき、肌は外部の刺激を受け流し、うるおいをキープすることができます。バリア機能が低下すると、わずかな刺激にも過剰反応しやすくなり(敏感肌・過敏肌)、乾燥が慢性化する状態につながります。

バリア機能はどこで作られるか

バリア機能を構成しているのは、主に3つの要素です。

  • 角質細胞:バリアの壁を形成するレンガのような存在
  • 細胞間脂質(セラミドなど):レンガとレンガの間を埋める目地のような存在
  • ケラチン:レンガ(角質細胞)の内側を強化する骨格のような存在

セラミドはよく知られていますが、角質細胞そのものの強さを支えるケラチンの役割はあまり語られていません。しかし実は、バリア機能の根幹を担っているのはこのケラチンです。

ケラチンがバリア機能を内側から支えるしくみ

角質細胞の中身のほとんどは、ケラチンという繊維状のタンパク質で構成されています。このケラチン繊維が細胞の内側で網目状に張り巡らされることで、角質細胞は一定の形と強度を保っています。

ケラチンが「骨格」として機能する

角質細胞がレンガだとするなら、ケラチンはそのレンガの内部を補強するコンクリートのような役割を担っています。ケラチンがしっかりと機能しているとき、角質細胞は外部からの圧力や刺激に対して変形しにくく、バリアとして安定した状態を保てます。

ケラチンが弱まると、角質細胞そのものの強度が低下します。細胞が変形しやすくなることで、バリアの隙間が増え、外部からの刺激が内部に届きやすくなります。これがバリア機能の低下です。

ケラチンが「ハンモック」として水分を保持する

ケラチンにはもうひとつの役割があります。細胞の内側で水分を抱え込む「ハンモック」としての機能です。ケラチン繊維の網目が水分をしっかりと受け止めることで、肌はうるおいをキープできます。

この2つの役割(骨格としての強度・ハンモックとしての水分保持)が、バリア機能を内側から支えているのです。

ケラチンを強化するジスルフィド結合と硫黄

ケラチンがバリア機能を支えるためには、ケラチン繊維どうしをしっかりと結びつける「ジスルフィド結合」が不可欠です。

ジスルフィド結合とは、ケラチンを構成するアミノ酸「システイン」に含まれる硫黄原子どうしが結びついてできる結合です。この結合がケラチン繊維を強くしなやかに保ち、骨格としての強度とハンモックとしての水分保持力を維持しています。

硫黄が不足するとバリアが崩れる

硫黄が不足するとジスルフィド結合が十分に形成されず、ケラチン繊維がほつれていきます。ケラチンの骨格が弱まると角質細胞の強度が低下し、バリアの隙間が増えます。同時にハンモックとしての機能も失われ、水分保持力も低下します。

この状態が続くと、乾燥・敏感肌・過敏肌・肌荒れなど、さまざまな肌トラブルが起きやすくなります。

セラミドだけではバリアが整わない理由

バリア機能の改善策としてよく紹介されるのが「セラミドの補給」です。確かにセラミドは角質細胞の間を埋める細胞間脂質として、バリア機能に重要な役割を持っています。しかしセラミドだけを補給しても、バリアが根本から整わないケースがあります。

レンガ(角質細胞)が弱ければ目地(セラミド)の効果は限られる

バリアの構造はレンガと目地に例えられます。しかしレンガ自体がもろく崩れやすい状態では、目地をいくら補強しても壁は安定しません。

角質細胞(レンガ)の強さを内側から支えているのがケラチンです。ケラチンを整えずにセラミドだけを補給しても、バリアの根本的な改善にはつながりにくいのはこのためです。

バリア機能を本当の意味で整えるためには、セラミドなどの細胞間脂質を補うことと並行して、角質細胞の内側にあるケラチンをジスルフィド結合からサポートすることが必要です。外側と内側の両方から整えることで、バリア機能は本来の力を取り戻していきます。

ケミカル成分がバリア機能を崩すしくみ

バリア機能が低下する原因のひとつに、日常的なスキンケアや洗浄剤に含まれるケミカル成分の蓄積があります。

合成界面活性剤のダメージ

洗顔料・シャンプー・ボディソープなどに含まれる合成界面活性剤は、汚れや皮脂を落とす洗浄力を持ちながら、同時に角質細胞内のタンパク質(ケラチン)にも作用することがあります。繰り返し使い続けることでジスルフィド結合に負担をかけ、ケラチンを少しずつ弱めていきます。

防腐剤・合成香料の蓄積

防腐剤や合成香料も、継続的に肌に触れることで角質層にダメージを蓄積させる場合があります。これらのケミカル成分によるダメージが積み重なることで、ケラチンのジスルフィド結合が弱まり、バリア機能が徐々に低下していきます。

「ていねいにスキンケアしているのに肌が改善しない」という場合、使っているケア製品に含まれるケミカル成分が、バリアを支えるケラチンを少しずつ崩している可能性も考えられます。

バリア機能を根本から整えるためのアプローチ

ケミカル成分の少ないシンプルなケアに切り替える

まず取り組みたいのが、日常的に使うスキンケアや洗浄剤の成分を見直すことです。合成界面活性剤・防腐剤・合成香料を含む製品の使用を減らし、天然由来成分を中心としたシンプルなケアに切り替えることが、ケラチンへのダメージを防ぐ第一歩になります。

硫黄成分でケラチンのジスルフィド結合をサポートする

ジスルフィド結合の材料となる硫黄を肌に届けることで、ケラチンを内側から強化し、バリア機能の回復をサポートすることができます。

特に注目したいのは、すでにバリアが崩れた肌は角質層の隙間が増えているため、硫黄などの成分が深部まで届きやすい状態にあるという点です。バリアが崩れているときこそ、必要な成分が浸透しやすいタイミングでもあります。このタイミングを活かして何を届けるかが、バリア機能の回復において非常に重要です。

まとめ:バリア機能はケラチンを整えることで根本から変わる

  • バリア機能とは、角質層が持つ「外からの刺激を防ぐ」「内側の水分を守る」2つの機能のこと
  • バリアを内側から支えているのは、角質細胞の骨格を形成するケラチン
  • ケラチンの強さはジスルフィド結合(硫黄原子どうしの結合)が担っている
  • セラミドだけを補給しても、ケラチンが弱ければバリアは根本から整わない
  • ケミカル成分の蓄積がジスルフィド結合を弱め、バリア機能を低下させる
  • 硫黄でケラチンをサポートすることが、バリア機能を根本から整えるアプローチになる

「バリアケアをしているのに効果を感じない」という方は、セラミドなどの細胞間脂質を補うことと並行して、角質細胞の内側にあるケラチンを整えるアプローチを取り入れてみてください。外側と内側の両方から整えることで、肌のバリア機能は本来の力を取り戻していきます。

OLIMのナチュラルローションは、天然由来の硫黄成分を配合し、角質細胞内のケラチンのジスルフィド結合をサポートすることを大切に考えて作られています。乾燥肌・敏感肌・年齢肌でお悩みの方に、ぜひ一度お試しいただきたい処方です。

気になる方は、まずサンプルからお試しください。お肌への合い方をご自身で確かめていただけます。

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このブログでは、ケラチン・硫黄・フルボ酸など、肌の土台に関わる成分と科学的なしくみを、様々な角度からお伝えしていきます。

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開発者松本千賀子

株式会社スキンケアラボラトリ代表。
化粧品業界に40年携わり、延べ10万回以上の肌相談を重ねてきました。
その経験をもとに太古の海の地層から生まれたミネラルを含む水をベースに、自然由来にこだわった化粧水を開発しました。
試作品のその浸透性に興奮して夜も眠れなかったぐらいです。
お客様からも 「肌にどんどん入っていく感じがする」 「つけると肌がひんやり落ち着く」 という声をいただいています。
与えすぎない、削ぎ落とすケアを大切に、 今も自分の肌で確かめながら改良を続けています。

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