なぜ浸透するのかを知る

浸透力と肌の状態の関係|何を使うかより、肌が受け取れる状態かどうか

執筆者 : 開発者松本千賀子

「浸透力が高い化粧水」という言葉をよく目にしますが、浸透力は化粧水側だけの話ではありません。

「どれだけ浸透するか」は、使う製品の性質だけでなく、受け取る肌の状態によって大きく変わります。

同じ製品を使っても、肌の状態によって届く深さと定着のしやすさが異なります。今回は、浸透力と肌の状態の関係を、ケラチンのしくみをもとに解説します。「何を使うか」と同じくらい、「肌が受け取れる状態かどうか」が重要であることがわかります。

「浸透力」は製品と肌、両方の話

スキンケアの「浸透力」について語るとき、多くの場合は製品側の話として捉えられます。分子サイズが小さい・浸透促進成分が入っている・テクスチャーが軽い、といった製品の特性が浸透力を左右すると考えられがちです。

しかし実際には、浸透力は製品と肌、両方の状態によって決まります。どれだけ浸透力の高い製品を使っても、肌が成分を受け取れる状態になっていなければ、その効果は半減します。逆に、肌が成分を受け取りやすい状態にあれば、シンプルな成分でも必要な場所まで届きやすくなります。

浸透には「届く」と「定着する」の2段階がある

浸透には大きく2つの段階があります。ひとつは成分が角質層の深部まで「届く」こと、もうひとつは届いた成分が肌の中に「定着する」ことです。この2つは別々のプロセスであり、どちらが欠けても成分の効果は十分に発揮されません。

肌の状態が浸透力を左右するしくみ

肌の状態が浸透力に与える影響は、角質層の構造の変化から来ています。

健康な肌:届きにくいが定着しやすい

ケラチンのハンモック構造が正常に機能している健康な肌では、角質層のバリアがしっかりと形成されています。外部からの成分は角質層の密な構造によってある程度阻まれるため、深部まで届くには製品側の浸透力が重要になります。

ただし、健康な肌は成分が届いた際の定着力も高い状態にあります。ケラチンのハンモックが水分や成分を受け止めて保持する力が働いているため、届いた成分は肌の中に留まりやすくなります。

ケラチンが崩れた肌:届きやすいが定着しにくい

ケラチンのジスルフィド結合が弱まり、ハンモック構造が崩れた肌では、角質層に隙間が増え、成分が深部まで届きやすくなります。乾燥・敏感・過敏肌の方がスキンケアの刺激を感じやすいのは、バリアの隙間からケミカル成分が侵入しやすくなっているためです。

一方で、ケラチンのハンモックが崩れているため、届いた成分を受け止めて保持する力も低下しています。届きやすいが定着しにくいという状態にあります。

届くことと定着することを同時にサポートする必要がある

ケラチンが崩れた肌に必要なのは、届きやすさを活かしながら、同時に定着しやすい環境を整えることです。これが、フルボ酸(届ける・環境を整える)と硫黄(ジスルフィド結合を形成して定着の土台を作る)を組み合わせる理由のひとつです。

ケミカル成分と天然成分で浸透後の影響が異なる

「届きやすい状態の肌」に何が届くかによって、その後の肌の状態がまったく異なります。

ケミカル成分が届いた場合

エタノール・合成防腐剤・合成界面活性剤などのケミカル成分がバリアの隙間から深部まで届くと、肌の内部で炎症反応が起きやすくなります。ケラチンのジスルフィド結合にさらなる負担がかかり、すでに崩れていたハンモック構造がさらに弱まります。届きやすい状態をケミカル成分が利用することで、ケラチンの崩れが加速するという悪循環が生まれます。

天然由来の硫黄成分が届いた場合

一方、OLIMナチュラルローションのような98.6%天然由来の製品に含まれる硫黄成分が届いた場合、届いた先でケラチンのシステインと結びつき、ジスルフィド結合の形成をサポートします。炎症を起こすことなく、ケラチンのハンモック構造の回復に向けて働きかけます。

崩れた肌に何が届くかという選択が、悪化と回復のどちらに向かうかを決める分岐点になります。

浸透力を高めるために本当に必要なこと

「もっと浸透力の高い製品を探す」という方向性よりも、先に取り組むべきことがあります。

ケミカル成分を届けない環境を作る

まず重要なのは、ケミカル成分を含む製品の使用を見直すことです。バリアの隙間が増えた状態でケミカル成分を届け続けることは、ケラチンへのダメージを蓄積させます。しみる原因となるエタノール・合成防腐剤・合成界面活性剤を含む製品から離れることが、浸透力の問題を解決する第一歩です。

フルボ酸で「届く環境」を整える

現在試作中のコメ胚芽油コールドプロセス石鹸に配合されているフルボ酸は、キレート能によって硫黄などの成分を捕捉・運搬し、肌の深部へ届けやすくします。また、フルボ酸自体が角質層の環境を整える働きを持つため、その後のローションの成分がより定着しやすい状態が作られます。

硫黄でジスルフィド結合を形成し「定着する土台」を作る

ケラチンのジスルフィド結合が回復するほど、ハンモック構造が整い、届いた成分を保持する力が戻ってきます。硫黄を継続して届けることで、定着する土台そのものを作り直していくことが、浸透力の問題を根本から解決するアプローチです。

フルボ酸石鹸で洗顔し、OLIMナチュラルローションで硫黄を届けるという2段階のアプローチは、「届きやすくする」と「定着しやすい土台を作る」という浸透の2段階を同時にサポートする設計です。

肌の状態別・浸透力の考え方

慢性的な乾燥肌の方

角質層の隙間が増えているため成分は届きやすい状態にあります。しかしケミカル成分を含む製品がその隙間からダメージを与え続けている可能性があります。まずケミカル成分を含む製品を見直し、天然由来の硫黄成分を継続して届けることで、定着する土台の回復を目指します。

敏感肌・過敏肌の方

バリアの隙間が多く、ケミカル成分の侵入による刺激が起きやすい状態です。しみない98.6%天然由来の製品を選ぶことで、刺激なく硫黄成分を届けることができます。刺激を与えないことが、回復への最初のステップです。

年齢肌の方

加齢によってケラチンの合成力が低下し、ハンモック構造が崩れやすくなっています。届きやすい状態にある今のうちに、硫黄成分を継続して届けることで、加齢による変化を穏やかにするアプローチが有効です。

まとめ:浸透力は製品と肌、両方の状態で決まる

  • 浸透力は製品の特性だけでなく、受け取る肌の状態によって大きく変わる
  • 浸透には「届く」と「定着する」の2段階があり、どちらも重要
  • ケラチンが崩れた肌は成分が届きやすいが定着しにくい状態にある
  • ケミカル成分が届くと炎症とケラチンへのダメージが加わり悪化する
  • 天然由来の硫黄成分が届くとジスルフィド結合の形成をサポートし回復に向かう
  • フルボ酸で届く環境を整え、硫黄で定着する土台を作るという2段階が根本的なアプローチ

「浸透力の高い製品を探す」より先に、肌が成分を受け取れる状態かどうかを整えることが重要です。ケミカル成分を手放し、天然由来の硫黄をシンプルに届け続けることが、浸透力の問題を根本から解決する道になります。

OLIMナチュラルローションは原料の98.6%が天然由来。エタノール・合成防腐剤・合成界面活性剤を含まず、崩れたバリアに刺激を与えることなく、天然硫黄成分をケラチンの必要な場所へ届けることを大切に考えて作られています。まずはサンプルでお肌への合い方をご確認ください。

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このブログでは、ケラチン・硫黄・フルボ酸など、肌の土台に関わる成分と科学的なしくみを、様々な角度からお伝えしていきます。

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開発者松本千賀子

株式会社スキンケアラボラトリ代表。
化粧品業界に40年携わり、延べ10万回以上の肌相談を重ねてきました。
その経験をもとに太古の海の地層から生まれたミネラルを含む水をベースに、自然由来にこだわった化粧水を開発しました。
試作品のその浸透性に興奮して夜も眠れなかったぐらいです。
お客様からも 「肌にどんどん入っていく感じがする」 「つけると肌がひんやり落ち着く」 という声をいただいています。
与えすぎない、削ぎ落とすケアを大切に、 今も自分の肌で確かめながら改良を続けています。

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